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『デクリネゾン』金原ひとみ著の感想記事です。内容についてはほとんど触れていませんので、ネタバレは有りません
旨そうな食事や家族、周囲の人とのコミュニケーションの描写に引き込まれ、私は一気読みしました。読了後、行ったことがない旅行先やレストラン、対面での人とのコミュニケーションなど、感染症対策でできなかったり、敬遠していたことを求めるようになっていました
私にとって、それが『デクリネゾン』の読後の感想です
2020年から2023年にかけて感染症の影響で出歩く機会が大きく減りました。感染症対策が緩和されてきても、以前の感覚を取り戻すことができず、モヤモヤしていた時期にこの本『デクリネゾン』に出会いました
何の前知識もなく、ふと『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した著者(金原ひとみ)の本かとおもい、結構強烈な内容だったなぁと思い出しつつ、なんとなくこの『デクリネゾン』を購入しました
購入後しばらくは我が家の本棚へ。私は積読コーナーに何冊か在庫があると安心するタイプなのです。この『デクリネゾン』開封後、装丁のインパクトと馴染みのないタイトル、過去作品の強烈さを思い出して、なんとなく読み始めるのが億劫になりました(なぜ買ったのか…)
そんな中で積読コーナーの在庫が減ってきて、遂に読み始めたのは我が家に届いてから2か月たったころです
読み始め「第1話 生がきとどん底」からスタート。食事と会話のシーンを中心に展開する、バツイチの女性が主人公の物語でした。舞台はコロナ感染症の少し前から、コロナ感染症真っただ中を経て、なんとなく落ち着いてくるまでの時期の現代のお話です
主人公の志絵とその友人、仕事の関係者、元夫、子供、現在のパートナー。それぞれとの関係性の中で描かれる物語は、共感できるシーンも、全く共感できないシーンも含めて心に残りました
『デクリネゾン(declinaison)』とは何なのかは読了後に調べました。フランス料理の用語で調べると…
フランス料理に関するコンテキストで「declinaison」という言葉は、ある特定の食材やテーマに沿ったさまざまなバリエーションまたは表現を意味することがあります。たとえば、一つの食材(例えば、トマトやチョコレート)を取り上げ、それを使用したさまざまな料理やプレゼンテーションを「declinaison」として展開することがあります。これはメニューにおいて、一つの食材が多彩な形で表現されることを示し、その食材の多面的な使用法や味を披露するものです。
例として、デザートメニューで「チョコレートのdeclinaison」とあれば、それはチョコレートを使った様々なデザートが一つのプレート上で提供されることを指すかもしれません。一方で、メインコースであれば、ある一つの主成分(例えば、アヒル)を用いた様々な調理法や部位を使用した料理が提供されることを意味します。
「declinaison」は、多様性やバリエーションを尊重し、食材のさまざまな側面や、シェフの技術と創造性を披露する素晴らしい方法です。
なんとなく納得(したような気がする…)
『デクリネゾン』は時事ネタを含んでいますので、読む時期によってみえかたもかなり変わってくるのではと思いますが、金原ひとみさんの描く人物描写はとても惹きつけられるところが多く、心を揺らされる体験が出来る本だと思います
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