VTuberと弁理士の仕事をちょっと深堀『特許やぶりの女王　弁理士・大鳳未来』著：南原詠

ネットでVTuberの露出が増えてきて、特に「いち、じゅう、ひゃく、せん、満点…」が合言葉のVTuberのデビューにちょっと衝撃を受けていた際に見つけた書籍です

移動時間のお供として私が読んで面白かった、ミステリー小説『特許やぶりの女王　弁理士・大鳳未来』著：南原詠の紹介です

舞台はほとんど今に近い現代。特許をもとにコンテンツの差し止め請求をうけたVTuber・天ノ川トリィ。弁理士・大鳳未来の活躍のお話です

ちなみに弁理士とは、私も聞いたことがある…程度でしか知りませんでしたが

（弁理士の使命）
第１条弁理士は、知的財産に関する専門家として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進その他の知的財産に係る制度の適正な運用に寄与し、もって経済及び産業の発展に資することを使命とする。

という仕事だそうです

著者の南原詠さんは、この『特許やぶりの女王弁理士・大鳳未来』で2022年1月にデビューし、第20回このミステリーがすごい！で大賞を受賞されています。続編の『ストロベリー戦争弁理士・大鳳未来』が2022年9月に発売されています

VTuberって、私的に全く馴染みが無い世界が描かれているので、読み進めるごとに頭の中の知らない世界を知りたいスイッチがパチンパチンッと入っていく感覚を受けました

また、昨今「知財が云々」というニュースを目にする機会が増えてきました。そんな中で弁理士や特許について、普段さっぱり考えたことが無かった。そんな世界をちょっとだけ深堀したストーリーが新鮮でした

ミステリー要素やシーンの描写は比較的あっさりしているので、本格的なお話を求めている方には物足りないかもしれません

それでも、主人公の弁理士・大鳳未来の特許侵害で警告を受けた企業や人を守ることを信条にするというキャラと、VTuber・天ノ川トリィやVTuber事務所の社長がたどり着いていく答えなど読みごたえはしっかりありました

知財や弁理士の仕事内容、VTuberの現世の様子が、すっきりと物語に組み込まれているので、読みやすかったところも良かったです

アニメや漫画、VTuberが好きな方、特許や知財、弁理士などについてザックリ知りたい。VTuberの日常（あくまで物語上での）を想像してみたい。サクッと読めるミステリーを探している。というような方には特にお勧めです

感想にも書きましたが、本格的なミステリー小説を読みたいの！という方にはちょっと物足りないかもしれません。なので、海外ドラマの弁護士モノとかクライムサスペンスとか、そういうのが好きな方にはあまり刺さらないかも、しれません

我が家では、私は好みのど真ん中で続編まで買って読んじゃいました。相棒は「うん。おもしろかったよ。べんきょうになったー」とは言っていましたが、あまり刺さっていない様子でした…

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